交通事故は弁護士に相談すべき?
交通事故の被害にあって「今後どうなるのだろうか」、「弁護士に相談した方が良いの?」、「沢山いる弁護士の中からどうやって交通事故に強い弁護士を選ぶのだろう…」と悩んでおられませんか?
交通事故を弁護士に依頼すれば慰謝料を大幅に増額できます!
例えば、むち打ち事案であれば、交通事故被害を弁護士に依頼することで、なんと250万円も増額することが可能です。
でも、交通事故の被害にあって始めて弁護士に依頼する人も多く、多くの交通事故被害者の方にとって弁護士のことは分からないことだらけです。そこで、本記事では交通事故案件に注力している弁護士が執筆し、交通事故と弁護士の不安や疑問を徹底解説します。
本記事の前半では、まず3つの疑問や不安にお答えします。
記事の後半では弁護士に相談するときに、やっぱり気になる弁護士費用や交通事故に強い弁護士の選び方、弁護士に相談する流れを解説します。
詳しくは「5. 交通事故の弁護士費用相場」で解説しますが、交通事故の弁護士相談は無料で行うことができ、弁護士に依頼した方が良いか弁護士費用がどれぐらいかかるかを教えて貰えます。弁護士費用特約があれば原則として弁護士費用は一切かかりません。
交通事故を弁護士に相談しようかなと思ったら、悩まず気軽にお問い合わせすることをお勧めします。
この記事は交通事故の弁護士相談に必要なすべての知識が詰め込んであります。
交通事故の被害にあって損をしないために、最後まで読んで交通事故慰謝料の大幅UPを目指しましょう!
1. はじめに
2. 交通事故は弁護士を相談するべき5つのメリット
交通事故の被害にあって弁護士に相談するか迷っておられませんか?
弁護士に交通事故の相談をすることは様々なメリットがありますし、実は多くの交通事故では弁護士費用は無料です。
ここでは交通事故を弁護士に相談するべきメリットを5つに分けて解説します。
1.-(1) 弁護士は交通事故被害者の味方
交通事故を弁護士に相談する理由の1つは、交通事故被害にあったとき、弁護士はあなたの味方だということです。
何を当たり前なことをと思われるかもしれません。
しかし、交通事故の被害にあったとき、あなたに対して様々なことを言う人がいます。例えば、加害者の保険会社やあなたの友人などです。
その中で、交通事故に関する慰謝料や示談交渉について、弁護士だけが法的問題の専門家であり、なによりあなたの利益を優先してアドバイスをしてくれる頼れる存在です。
例えば、保険会社の担当者どれだけ親切に思えても自社の利益を優先せざるを得ません。また、あなたの友人は仮に交通事故のは語れるとしても、法令・裁判例を踏まえて適切な法的アドバイスができる専門家ではありません。
交通事故の被害にあうと不安や悩みはつきません。あなたの不安や悩みを解消してくれる頼れる味方が弁護士です。交通事故のご相談者には、弁護士に話をして親身に聞いて貰っただけでスッキリされる方もいます。
交通事故の被害にあっても、会社や加害者からあることないことを批判されることも残念ながらあります。いきなり後ろから追突されただけの交通事故被害者である自分は悪くない、そんなあなたの味方になってくれるのが弁護士という存在です。
交通事故の被害にあうと加害者の保険会社が謝罪に来てくれ、親身・丁寧に話を聞いてくれます。交通事故直後で誰も頼れる人がいないと保険会社は味方のように思われるかもしれません。しかし、保険会社は自社の利益を優先せざるをえず、最終的には交通事故被害者の味方ではないのです。
例えば、交通事故直後は親身になってくれても、むち打ちで3か月から半年経過すると治療の打ちきりを勧めてくるかもしれません。また、裁判になったときは高額な損害賠償が認められるのに、少し低めの示談金を提示するなんてことも良くあります。
保険会社の方は親身に対応してくれるかもしれません。しかし、保険会社と交通事故の被害者であるあなたは利害が対立する関係であることを認識して頼りきりにならず、最終的に依頼はしなかったとしても交通事故の弁護士相談をして正しい知識を身につけておくことが大事です。
1.-(2) 交通事故慰謝料の大幅な増額
交通事故を弁護士に相談すれば、弁護士基準(裁判基準)により交通事故慰謝料の適正金額を知ることができます。一般的に交通事故示談では3つの基準があると言われています。
3つの基準:自賠責基準≒任意保険基準<<弁護士基準(裁判基準)
交通事故の損害賠償額は自賠責基準≒任意保険基準<<弁護士基準(裁判基準)となります。弁護士は交通事故の示談交渉において、保険会社による任意保険基準の提示に対し、弁護士基準(裁判基準)で交渉するため大幅な慰謝料増額を期待できます。
交通事故を弁護士に相談するメリットとして、交通事故慰謝料の大幅な増額を期待できることは見逃せない事実です。
1.-(3) 後遺障害等級の認定を有利に
交通事故被害の症状がこれ以上改善できないと医師に判断されて治療が終了することを症状固定と言います。
治療が終了しても残念ながら交通事故の症状が残ることがあります。このようなときは後遺障害等級の認定が問題となります。
後遺障害等級の重要性
交通事故を弁護士に依頼するメリットとして後遺障害等級の認定を有利にできることがあります。後遺障害等級は交通事故示談金を増額するために非常に重要であり、適切な後遺障害等級が認定されないと大きな損をします。
例えば、交通事故でむちうちになり治療終了後も首の痛みが残ったときは、「神経症状を残すものと」として後遺障害等級14級に認定される可能性があります。しかし、レントゲンやMRIから症状の原因が分からない(=他覚症状のない)むちうちの場合は後遺障害等級が認められないこともあります。
後遺障害等級14級が認定されると、後遺障害慰謝料110万円、逸失利益108万円(年収500万円の場合)程度の請求が認められます。他方で、後遺障害等級が認定されないと請求は認められません。
後遺障害等級が認定されるか否かで約220万円も請求できる金額に差が生じるのです。
保険会社に後遺障害等級認定申請を任せる事前認定は手間がかからない一方で、相手方である保険会社に申請を任せるため十分な書類提出ができず適正な後遺障害等級が認定されないリスクがあります。
交通事故に強い弁護士に依頼をすれば被害者請求の方法により、弁護士が診断書や必要書類を精査して後遺障害等級の認定申請を行います。
後遺障害等級認定申請は非常に重要であり、後悔しないためにも弁護士に依頼して有利に後遺障害等級認定の手続きを行うのがおすすめです。
被害者請求を自分ですることも可能ですが、後遺障害等級の認定申請に必要な書類は下記の通り多岐に渡ります。
これらの書類に抜け漏れがないか、不利な点がないかを判断することは専門家でないと困難です。被害者請求を行いたいなら交通事故に強い弁護士に依頼する方が良いでしょう。
- 交通事故証明書人身事故
- 事故発生状況報告書
- 医師の診断書・死亡診断書
- 診療報酬明細書
- 通院交通費明細書
- 付添看護自認書等
- 休業損害証明書
- 納税証明書、確定申告書等
- 印鑑証明書
- 委任状および(委任者の)印鑑証明
- 戸籍謄本
- 後遺障害診断書
- レントゲン写真等
1.-(4) 保険会社との面倒なやり取りから解放
交通事故の被害にあったとき様々な手続が必要になります。
交通事故事件を弁護士に依頼される方には少しでも面倒なやり取りを減らしたいため依頼される方も少なくありません。
弁護士に相談をされる方は生まれて始めて交通事故の被害にあったという方が大半です。近くに良い病院はないか、痛みを緩和する方法はないか等の治療に関することから、手続きの流れや示談交渉まで不安の中で何もかもを一から自分で調べなければなりません。
交通事故の被害にあたっときの慰謝料請求や示談交渉についても自分で手続きをできないか調べているうちに、後遺障害等級認定申請等の手続きや保険会社との示談交渉が面倒くさいことが分かって弁護士に依頼することを決断される方も多いのです。
交通事故被害直後は病院、治療法、接骨院等について調べ、治療が継続している間に交通事故の損害賠償・慰謝料について調べる方が多いです。
少し交通事故被害の知識が身についてくると、弁護士特約等があるため交通事故被害の案件を依頼しても弁護士費用のデメリットが実質ないことが分かります。
余計な弁護士費用がかからないなら面倒な手続きを交通事故に強い弁護士に任せたいと考える方がほとんどです。
1.-(5) 交通事故被害は弁護士費用面のデメリットがない
弁護士に依頼するメリットは分かったけど、交通事故の弁護士費用はどれぐらいかかるのだろうか。高額な弁護士費用のせいで慰謝料や損害賠償金が減ったらどうしようと不安に思われるかもしれません。
しかし、交通事故被害は弁護士費用面のデメリットはありません。
弁護士特約に加入していれば弁護士費用は保険会社が支払ってくれるため、あなたの負担はありません。また、最近は交通事故に注力する弁護士が増加し、弁護士特約がないときも交通事故に強い弁護士であれば完全成功報酬制の弁護士費用であることがほとんどです。
完全成功報酬制であれば損害賠償額が増額しなければ弁護士費用は生じないので、弁護士費用面のデメリットがありません。
あなたや家族の入っている自動車保険に弁護士特約が付いていれば、交通事故被害の弁護士費用をあなたや家族の保険会社が負担してくれます。弁護士費用特約は弁護士費用300万円を上限としますが、ほとんどの事案で弁護士費用300万円を超えることはないので、交通事故被害の弁護士費用は負担がないと言えます。
交通事故に注力している弁護士事務所は交通事故被害の案件は完全成功報酬制で受任することがほとんどです。また、弁護士に依頼しても保険会社の提示金額からの増加額が弁護士費用を下回ったときは、不足額の弁護士費用が生じないプランを用意している弁護士も少なくありません。
弁護士に依頼して増額した示談金の一部を弁護士費用として支払います。従って、このようなときは弁護士費用面のデメリットは実質ないと言えます。
3. 交通事故に強い弁護士に相談するときの注意点
交通事故の被害を弁護士に相談しようとしても、
- 「弁護士相談は初めてのことでどうして良いか分からない」
- 「知り合いに弁護士なんていない…」
- 「できれば交通事故に強い弁護士に相談したい」
という悩みがあるでしょう。
しかし、ご安心ください!
最近は交通事故に強い弁護士はWEB集客を積極的に行っており、ネットで弁護士を探せる時代になってきました。弁護士の知り合いがいなくても、ネットで検索すれば交通事故に強い弁護士に相談できます。
交通事故に強い弁護士の選び方や弁護士を選ぶときの注意点は挙げればきりがないですが、ここではとくに重要なポイントに絞って解説します。
3.-(1) 交通事故に強い弁護士を選ぶ目的
まず、あなたが交通事故に強い弁護士を選ぶ目的は何かを明確にしましょう。例えば以下のように弁護士に求める点は異なるはずです。
- できるだけ交通事故慰謝料を増額したい
- 親身・丁寧に対応してくれる弁護士が良い
- 早期・迅速に解決して欲しい
交通事故慰謝料は明確に基準が決まっています。弁護士に依頼すれば弁護士基準(裁判基準)で示談できるため、弁護士であれば大幅に慰謝料を増額できます。
弁護士によって差が生じるのは後遺障害等級の認定や過失割合です。慰謝料を増額したいなら後遺障害等級の認定基準や過失割合の裁判例に詳しい弁護士を選ぶと良いでしょう。
交通事故の被害にあって分からないことだらけで不安、保険会社とのやり取りがストレスという方は親身・丁寧に対応してくれる弁護士が良いでしょう。
親身・丁寧に対応してくれる弁護士かは電話対応や法律相談の印象を確認します。但し、依頼までは親切な弁護士事務所に思えても、依頼後は専ら事務員が対応して弁護士と話せずストレスが溜まるという声も聞きます。
多数の交通事故案件を取り扱う弁護士事務所の中には大量の案件を効率的に処理するため事務員任せになるようです。もし、この点が不安であれば所属弁護士数と事務員数を確認しても良いかもしれません。
概ね弁護士1人当たり事務員1~2名程度までが目安かと思います。所属スタッフ数が交通事故のホームページでは公表されていなくても、「法律事務所名+求人」で検索して求人情報ページに公表されていることもあります。
交通事故の被害に合うと治療費や交通費などの立替払いが生じます。金銭的に余裕がなく、早めに保険会社から示談金を貰いたい、早期・迅速に解決したいと思われるかもしれません。
裁判を行うと解決までの期間が長引きます。交通事故事件を早期・迅速に解決できる弁護士を選びたいなら、示談交渉に強い弁護士を選ぶのが良いでしょう。
3.-(2) 弁護士費用倒れのリスクを確認
交通事故を弁護士に依頼して示談金が増額しても、それを上回る弁護士費用のために結局損をしては意味がありません。弁護士費用が弁護士に依頼したメリットを上回ることを弁護士費用倒れと言います。
交通事故を弁護士に相談するときには弁護士費用倒れになるリスクがあるか注意しましょう。
交通事故に強い弁護士であれば弁護士費用倒れにならないような提案をするはずです。弁護士費用の定め方は交通事故を受任する弁護士の利害関係にも直接影響するだけに、その弁護士が交通事故にどれだけ強い意気込みを持っているか判断する要素になります。
まず、弁護士特約が付いていれば原則として弁護士費用倒れになることはまずありません。強いて言えば、弁護士特約を使っても保険料が上がらないことや弁護士費用の上限などを丁寧に説明してくれる弁護士であれば交通事故に強い弁護士と言えるでしょう。
注意が必要なのは弁護士費用特約がないときです。重大事故・交通死亡事故であれば弁護士費用倒れのリスクは少ないですが、むちうちなどの事案では弁護士費用倒れのリスクがあります。
なぜなら、交通事故でむちうちになったときは、後遺障害等級が取れるか、過失割合がどれくらいかによる複雑な判断を経て弁護士に依頼するべき事案か分かるためです。むちうち事案で着手金を支払うと、見込み違いで示談金増額分が着手金を下回ったときは弁護士費用倒れとなります。
交通事故に強い弁護士を選びたい、弁護士費用倒れを回避したいのであれば以下の条件を満たす弁護士事務所を選べば間違いがないでしょう。
- 完全成功報酬制
- 絶対増額保証制度
詳細は弁護士費用の相場で解説します。
3.-(3) あなたの事案で弁護士に依頼する理由が具体的か
交通事故被害を弁護士に相談したときに、弁護士が助言する内容はざっくり言うと「あなたの示談金額は低いので、弁護士に依頼すれば増額できる」ということです。しかし、大雑把な助言は弁護士なら誰でもできます。
交通事故の示談交渉は、まずは任意保険基準で提示がなされますが、弁護士に依頼すれば弁護士基準(裁判基準)で増額交渉ができるため、基本的に示談金を増額できます。従って、弁護士であれば誰でも「弁護士に依頼すれば示談金が増額できる」と話すことはできます。
そのため、あなたの事案で慰謝料増額の理由を具体的に説明できる弁護士か否かが交通事故に強い弁護士か見極めるポイントになります。
- 「むちうち事案は6か月程度なら治療の必要性が認められることが多いので、医師が必要だというのであれば治療を継続しましょう」
- 「首の痛みが一貫して続いていて、通院頻度も多いので後遺障害等級が認められる可能性は高いですね。そのために後遺障害診断書には~と記載して貰いましょう」
このように具体的な慰謝料増額の理由を説明してくれる弁護士であれば、交通事故に強い弁護士だと言えるでしょう。
弁護士と事務員の役割分担
交通事故事件を低額な弁護士費用で大量に処理しようと思うと、案件処理の効率化が必要になります。このときに問題になるのが弁護士と事務員の適切な役割分担です。弁護士数に比べて事務員が多すぎるようであれば注意が必要かもしれません。
交通事故事件では、治療費・交通費の明細書・領収書の整理等の事務処理や、明確に定まった交通事故の損害賠償額の算定基準へのあてはめなどの事務員でもできる仕事が少なくありません。
他方で、交通事故被害の処理を事務員に丸投げするレベルになれば問題です。悪質な事案だと弁護士事務所が悪徳な業者に乗っ取られてしまい、弁護士費用を悪徳業者が持ち逃げして事務所が潰れるケースもあるようです。
「弁護士数に比べて事務員が多すぎないか」、「依頼した後に弁護士と話すことできそうか(電話応対を事務員のみでなく弁護士が対応するか)」は注意しても良いでしょう。
4. 交通事故 弁護士に相談するタイミングは?
交通事故の被害にあったときあなたの身体が一番大事です。ほとんどの方は示談金が貰えなくても、完治する方が良いと思われると思います。
そのため、念のため事故直後に病院に行くことをおすすめします。交通事故直後から痛みがあるときはもちろん、痛みがないときでも念のため検査を受けた方が良いでしょう。
また、交通事故でむちうちになったときは、交通事故から2~3日経って痛みがでることがあります。交通事故の後日にむちうちの痛みがでたときは当日中にでも病院に行きましょう!
病院に行くのが遅れて交通事故から1週間も経過すると、「首の痛みは交通事故のむちうちではなく、他の原因ではないか?」と反論されるリスクが高まります。
実務上は、痛みが生じた時点ではなく診療を受けた時点で判断されるため、交通事故が原因でむちうちになった証拠を残すためにも痛みが出たらすぐ病院に行きましょう。
あなたの身体が一番大事です。まず病院に行ってから弁護士に相談するタイミングを考えましょう!
それでは交通事故を弁護士に相談するタイミングについて解説します。まず、前提として交通事故の被害にあったときは、以下のような流れで進んでいきます。
- 交通事故直後~治療開始
- 治療終了
- 後遺障害等級認定
- 保険会社との示談交渉
この流れに沿って、いつが弁護士に相談するベストタイミングかを解説します。
4.-(1) 交通事故直後に弁護士に相談すべき事案
交通事故にあったときは交通事故直後に弁護士に相談するべきと言われることがあります。たしかに、交通事故直後は実況見分の実施、治療費の負担・保険関係、入通院の頻度・付き添いの問題などについて弁護士から助言を受けるメリットはあります。
しかし、交通事故直後は何かと忙しくじっくり弁護士を選べない、治療が終了しないと方針が立てられないと弁護士から相談を断られるなどの不都合もあります。
とくに、交通事故の症状がむちうち症のみであるときは、弁護士としても交通事故直後は方針を立てることが難しいため、弁護士に相談するタイミングとしては適切ではありません。
従って、本当に交通事故直後から治療中に相談するべき事案は以下のような事案です。
- 交通死亡事故・重大事故の事案
- 保険会社から治療打ち切りを言われたとき
交通死亡事故・重大事故は交通事故直後から弁護士に相談を
交通死亡事故や重大事故の場合は交通事故直後から弁護士に相談するべきです。
残念ながら交通事故被害者が亡くなった交通死亡事故や大きな怪我を負った重大事故では、精神的ショックや様々な手続きに忙殺されるため、弁護士に相談することを忘れがちです。
しかし、保険会社は法要などが終わった頃に早い段階で示談交渉をもちかけ、弁護士に相談するタイミングがないまま淡々と示談書にサインをさせようとすることがあります。交通死亡事故・重大事故でも保険会社側は手続きを待ってくれませんので、弁護士に相談するタイミングはなるべく早期をおすすめします。
治療中に保険会社から治療打ち切りと言われたとき
むちうちで3か月ぐらい通院をしていると、保険会社から治療打ち切りを言われることがあります。交通事故からしばらく経って保険会社からこのようなことを言われたら、治療打ち切りだと判断してください。
- 「むちうちの治療は交通事故から3か月ぐらいが限度ですよ」
- 「治療を続けると交通事故で貰える示談金が減りますよ」
しかし、治療が必要か判断するのは医師です。
交通事故でむちうちになって首の痛みが残っており、医師からも治療が必要と言われているのであれば、保険会社の言いなりになって治療を打ち切る必要はありません。
その他にもどの程度の頻度で治療に行って良いのか、本当に治療打ち切りに応じなければならないのか、始めて交通事故にあって不安が多いと思います。
交通事故に強い弁護士は無料の電話相談を行っていることが多いです。交通事故の治療打ち切りを保険会社から主張されたときは電話相談を賢く活用しましょう。
4.-(2) 治療終了した直後:症状固定時
交通事故で負った怪我について、これ以上治療を続けても症状が改善しない状態のことを症状固定と言います。症状固定の段階になっても症状が残るときは後遺障害等級の認定が問題となります。
症状固定の段階になれば後遺障害等級の認定申請を行うべきかや後遺障害等級が認定されたときの適正な示談金額を算定することができます。
症状固定段階で初めて精度の高い見通しを得ることができます。交通事故慰謝料がどれぐらい貰えそうか、弁護士に依頼して弁護士費用倒れにならないかが弁護士相談で分かるのが症状固定段階です。
他方で、後遺障害等級は非常に重要です。交通事故でむちうちになった事案であれば、後遺障害等級が認められるか否かで後遺障害慰謝料110万円+(年収500万円のとき)後遺障害逸失利益約108万円=合計約220万円も示談金が変わります。
非常に重要な後遺障害等級の認定申請を保険会社任せにするのでなく、被害者請求の方法で行えば有利な後遺障害等級の認定を受けられる可能性があります。そうすると、後遺障害等級の認定手続前には弁護士に相談をされた方が良いでしょう。
交通事故を弁護士に相談するタイミングは、交通事故直後から損害額が分かる交通死亡事故や重大事故を除いて、症状固定直後にするのがベストタイミングと言えるでしょう。
医師から治療を続けても症状が改善されないと言われたら症状固定となります。症状固定になれば、どの程度の後遺障害等級の認定になり、どの程度の交通事故慰謝料を獲得できるかが分かります。
症状固定前から交通事故に強い弁護士を探すのは良いことですが、遅くとも症状固定を迎えたら弁護士に相談するべきです。交通事故を弁護士に相談するベストタイミングを逃さないようにしてください!
4.-(3) 後遺障害等級認定後・示談金額の提示後は少し遅い!
交通事故示談の流れは、症状固定がなされると後遺障害等級の認定・保険会社との示談交渉という流れで進みます。
交通事故を弁護士に相談するタイミングとして後遺障害等級認定・示談金提示の後は少し遅いかもしれません。
交通事故を弁護士に相談するタイミングを逃したまま、後遺障害等級の認定申請を保険会社に任せられる方もいます(事前認定手続)。
後遺障害の等級が希望通り認定されれば良いのですが、認定された後遺障害等級に不満があるときもあります。
後遺障害等級後のタイミングで弁護士に相談された方で、早いタイミングで弁護士に相談していれば、被害者請求の方法で有利な後遺障害等級が取れたのにと後悔される方は非常に多いです。
後遺障害等級は非常に重要なので、後遺障害等級認定で後悔しないためにも後遺障害等級う認定申請前のタイミングで弁護士に相談することをおすすめします。
ご注意ください:示談書締結後の弁護士相談
交通事故被害にあって示談書を締結した後に弁護士に相談される方もおられます。原則として交通事故被害の案件では示談書締結後にこれを覆すのはほぼ不可能です。
交通事故被害にあったとき多くの事案では弁護士に依頼するメリットがあります。示談書にサインする前に必ず一度は交通事故に強い弁護士に相談しましょう。
5. 交通事故の弁護士費用相場
昔は旧弁護士報酬規程により弁護士費用は一律でした。しかし、この規程は撤廃されており、現在は交通事故の弁護士費用は弁護士事務所ごとに異なります。
もっとも交通事故に強い弁護士であれば、交通事故の被害者にメリットがあるような弁護士費用を提案するため弁護士費用は何となく似通ったものになります。
このような観点から、交通事故に力を入れている弁護士事務所の弁護士費用相場を解説します。
5.-(1) 法律相談:無料
交通事故に注力している弁護士事務所は、交通事故被害の弁護士相談は無料で対応しています。
まずは無料相談で弁護士に依頼するとどのぐらいメリットがあるか、弁護士費用倒れのおそれがないか等を説明するとともに、あなたと弁護士の相性が合いそうかを確かめて貰いたいと考えるからです。
交通事故に強い弁護士事務所は交通事故の被害にあったときの様々な案件を取り扱い、細かな内容まで法律相談には慣れているはずです。
「弁護士に相談して無料だと嫌がられないかな?」、「細かなことを弁護士に相談して良いのかな?」と悩まず、まずは気軽に無料相談をご利用ください。
交通事故は弁護士に無料相談ができると言っても、対象となるのは、むちうちで首の痛みがある等の交通事故被害者側の人身事故です。
物損事故や交通事故の加害者側の法律相談はそもそも対応していない弁護士事務所も少なくありません。とくに交通事故の加害者側は、交通事故事件ではなく、刑事事件のご相談と考えるのが適切な場合も少なくありません。交通事故に強い弁護士ではなく、刑事事件を扱っている弁護士事務所に相談した方が良いケースも少なくありません。
物損事故と加害者側の交通事故事件は対応できないことも多いのでご留意ください。
5.-(2) 弁護士費用特約があるときの弁護士費用
弁護士費用特約を使うときは、あなた自身で弁護士費用を負担する必要はありません。
交通事故の被害にあったとき弁護士費用特約を使って弁護士に依頼するときは、保険会社が定めたLAC基準というものに基づいて弁護士費用が算定されます。もしご興味がある方はLAC基準をお調べいただければと思いますが本記事では詳細は省略します。
弁護士費用特約は300万円の上限額が存在し、弁護士費用が300万円を超えるときは被害者の事故負担になります。但し、弁護士費用が300万円を超えるのはごく限られた重大事故であり、そのようなときは弁護士に依頼することで数千万円単位の賠償金増額が可能なため弁護士費用倒れのリスクは少ないと言えます。
。
5.-(3) 弁護士費用特約がないときの弁護士費用:完全成功報酬制
弁護士費用特約がないときについても解説します。
弁護士費用特約がない交通事故案件のときは、交通事故に強い弁護士が提示する弁護士費用は完全成功報酬制がほとんどです。
完全成功報酬制は弁護士に依頼するときの着手金を無料とし、弁護士に依頼することで経済的利益があったときだけ弁護士費用を支払うものです。
完全成功報酬制の具体例
- 着手金:0円
- 報酬金:経済的利益の10%+20万円
完全成功報酬制は着手金は無料とし、弁護士に依頼して経済的利益があったときだけ弁護士費用を支払うものです。完全成功報酬制であれば弁護士に依頼して経済的利益を得たときに弁護士費用を支払うので弁護士費用倒れのリスクがほとんどありません。
また、法律相談や電話相談が無料のことも多く、弁護士との相性や交通事故被害案件の方針を確認してじっくり弁護士を選べます。交通事故案件について弁護士事務所の自信の表れが完全成功報酬制と言えるでしょう。
保険会社から示談金額の提示があったときは、弁護士が示談交渉をして増額できた示談金額の範囲内で弁護士費用を支払うのが増額保証制度です。仮に、弁護士による増額分が弁護士費用を下回ったときは、不足分の弁護士費用を支払う必要がありません。
増額保証制度があれば弁護士費用倒れのリスクは全くないため交通事故の被害者が安心して弁護士に依頼できる制度だと言えます。増額保証制度があることは弁護士選びの大きなポイントと言えます。
6. 弁護士費用で賢く得するためのコツ3つ
交通事故被害を弁護士に依頼するときに弁護士費用で得をするためのコツを解説します。
但し、弁護士費用特約がある方は自分で弁護士費用を負担する必要がありません。従って、弁護士費用が付いている方はこのページは読み飛ばしていただいて大丈夫です。
6.-(1) 加害者に弁護士費用を負担させる方法
交通事故の被害者から法律相談で受ける質問は弁護士費用を加害者に負担させられないかです。
実は加害者に弁護士費用(の一部)を負担させる方法があります。どのような方法でしょうか?
答えは・・・
「裁判を起こす」です。
交通事故に基づく損害賠償請求訴訟を起こして判決になれば、裁判所は損害賠償額の10%程度を弁護士費用として加害者に請求することを認めてくれます。そのため弁護士費用の一部については裁判を起こせば加害者側に負担させることができます。
もっとも、裁判を起こせば弁護士費用も高額になり、解決までの期間が長期化したり、交通事故被害者が裁判所に行かなければならないなどの負担もあります。
デメリットはさほど負担としては重くないですが、少なくとも解決まで時間がかかることは間違いありません。従って、弁護士費用を加害者に負担させるために裁判を起こすべきかは弁護士と事前によく協議をして慎重に決定するべきと言えます。
6.-(2) 増額保証制度の利用
増額保証制度とは、交通事故被害を弁護士に依頼することによる示談金増加額が弁護士費用を上回ることを保証するものです。
分かりやすく言えば、増額保証制度なら弁護士費用倒れで損をすることがありません。
弁護士費用で得するためのコツとしては増額保証制度を上手く利用することです。但し、増額保証制度は交通事故に強い弁護士でも必ず用意しているものではありません。
逆に言うと絶対増額保証制度は弁護士の自信の表れであり、交通事故に強い意気込みを持っている証拠だと言えるでしょう。
交通事故の被害でむちうちになり、相手方保険会社から50万円の示談金を提示されました。弁護士に依頼して交渉しましたが最終的に70万円で和解することになりました。弁護士費用が29万1600円生じるため、弁護士費用を払うと40万8400円しか手元に残りません。
弁護士に依頼して損をしてしまった…そんなときに差額の9万1600円分の弁護士費用は頂戴しないのが増額保証制度です。
6.-(3) 交通事故の慰謝料相場を計算してシュミレーション
最後に弁護士に依頼する前には交通事故示談金の増加見込みと弁護士費用のシュミレーションをお勧めします。
弁護士費用の見積もりと聞くとそんなことして良いのかと思われる方もいるようです。
- 「弁護士にお金の話をして呆れられないか?」
- 「弁護士費用の見積もりなんて貰えるの?」
しかし、交通事故に強い弁護士は、きちんと示談金を十分増額できるのか、交通事故被害者の方に弁護士費用を上回るメリットを提供できるかを常に考えています。あなたの事案で交通事故の示談金がどれだけ増額できるかや弁護士費用の見積もりを依頼すれば快く応じてくれるはずです。
逆に言うと弁護士費用の見積りを嫌がったり、弁護士費用を聞くとお茶を濁すような弁護士に依頼するのは止めた方が良いでしょう。
無料の法律相談を行っている弁護士事務所は、弁護士費用の見積りや交通事故慰謝料のシュミレーションや診断も無料で行ってくれるはずです。弁護士だからと遠慮せずに気軽に聞いてくださいね!
7. 交通事故に強い弁護士の選び方 3つのポイント
7.-(1) 説明が分かりやすい
交通事故に強い弁護士を選ぶポイントの1つ目は説明が分かりやすいかです。
交通事故は老若男女問わずに直面する法律問題であり、交通事故を数多く取り扱っていると様々な方からご相談をお受けします。そのため、自然とどんな交通事故被害者の方にとっても分かりやすい説明を心がけるようになります。
また、交通事故について分かりやすく説明できることは、交通事故事件の知識と経験が豊富な証拠でもあります。
交通事故の被害者がご相談されたときに、被害者から様々なご質問をお受けします。交通事故に強い弁護士であれば、ご質問に簡潔・的確に答えられるはずです。
とくに弁護士に相談したときは以下の点は必ず質問するようにしましょう!
- 交通事故示談に向けて今後の流れ
- 後遺障害等級の認定申請をすべきか
- 獲得できる示談金額の見通し
- 依頼したときの弁護士費用
- 現時点で弁護士に依頼するべきか
但し、交通事故の被害者にとって良いこと、甘い話だけをする弁護士は要注意です。質問に対して良いことだけでなく、悪い点や不安要素もキッパリと説明してくれる弁護士の方が交通事故に強く、信頼できる弁護士と言えるでしょう。
例えば、交通事故被害にあってむちうちで首の痛みがあるが、症状固定前で治療を続けているご相談であれば、後遺障害等級の認定申請をすべきか分からないケースも少なくありません。
それなのに、「弁護士に依頼すれば示談金は増額できる」、「後遺障害等級を得られる可能性が高くなる」と説明するのは、単に弁護士に依頼させようとするセールストークかもしれません。
良い点も悪い点も分かりやすく説明してくれる弁護士であれば、交通事故に強く信頼できる弁護士と言えるでしょう。
7.-(2) 交通事故の実績が多い
交通事故の実績が多いことは交通事故に強い弁護士の証明とも言えます。
どれぐらい相談対応をしており、どれぐらいの交通事故事件を解決に導いたかといった交通事故の実績を確認することも重要です。
ホームページに交通事故の解決実績が記載されていたり、弁護士に無料相談したときに解決経験に基づいて説明してくれる弁護士であれば、交通事故の解決実績が多い弁護士です。
但し、守秘義務に対する懸念や弁護士のポリシーから交通事故の解決実績をあまり載せない弁護士も少なくありません。また、弁護士事務所は一般的に人手不足であり、ホームページに解決事例をタイムリーに載せることは困難です。
従って、ホームページに掲載されているのは弁護士の解決実績のはほんの一部でしょう。
そこで解決実績の記載件数よりも、継続的に交通事故被害案件の解決実績が更新されているかや具体的な解決内容が記載されているかに着目しましょう。
とくにホームページ制作時に、制作業者が適当に解決実績を作って載せたものがそのままになっているケースなどもあるようです。
見せかけの解決実績ではなく、交通事故案件に継続的に取り組んでおり、具体的にどのように解決したのかに着目して交通事故の実績が多い弁護士を選ぶことがポイントです。
7.-(3) 医学・後遺障害の知識が豊富
交通事故の相談対応や案件処理において医学的知識や後遺障害認定の知識が重要です。
もちろん弁護士は医師ではないため、あなたに必要な治療内容を具体的に助言することはできません。
しかし、交通事故の被害で一般的に生じる症状、治療内容や治療期間について交通事故に強い弁護士であれば自然と詳しくなります。
例えば、
むちうちで首の痛みが残っていますが、保険会社はむちうちの治療は3か月で終わるのが一般的だと説明されましたが本当ですか?
交通事故の被害でむちうちになって治療打ち切りを言われたご相談者に対して、具体的にむちうちの治療内容や治療期間を説明できるか否かです。
たしかに、むちうちは3か月程度で治療終了となることも多いですが、一般的に治療打ち切りと言われるほどではありません。ただ、治療期間が6か月を超えるようだと例外的な事情がない限りむちうちの治療期間としては長いかもしれませんね。
などと具体的なアドバイスをしてくれる弁護士であれば、交通事故に強い弁護士だと判断できます。
8. 交通事故に強い弁護士を選ぶ3つのSETP
8.-(1) 治療中に交通事故弁護士のホームページをチェック
交通事故に強い弁護士を選ぼうと思ったとき、知人からの紹介、書籍の著者を選ぶ、弁護士会の法律相談に行くなどの方法があります。
しかし、最近ではほとんどの方がインターネット経由で依頼する弁護士を選ばれます。
交通事故に強い弁護士のホームページは以下の内容から構成されています。
- 弁護士事務所の概要
- 交通事故案件のコラム
- 事務所の特徴・強み
- 交通事故の解決実績
- 弁護士費用
とくにボリュームが多く交通事故を解説しているのは交通事故案件に関するコラムです。しかし、交通事故弁護士のホームページでとくにチェックするべきなのは、弁護士事務所の概要や解決実績だと言えます。
なぜなら、一般の方に分かりやすく書かれたコラムでは本当の専門性は分かりません。また、真に交通事故に強い弁護士による高度の専門性がある内容は一般の方には分かりにくいのでホームページに記載しません(ノウハウ流出を防ぐ意味もあるかもしれません)。
従って、交通事故の基礎知識や流れを把握するためにコラムは役立ちますが、コラムはどうしても似たりよったりの内容になりがちです。
交通事故に強い弁護士を選ぶときは弁護士事務所の概要や解決実績といった「弁護士の人柄・特徴」が出るところをチェックするべきです。
弁護士事務所の概要では何人ぐらい弁護士がいるのか、どのような事務所理念があるのか、交通事故事件にかける意気込みなどから自分に合いそうな弁護士かをチェックします。
また、交通事故の解決実績では、どのような交通事故被害案件を取り扱っているのか、どの段階で依頼を受けてどのような流れで解決しているのか、交通事故示談交渉が上手い弁護士か積極的に裁判をやっている弁護士かを伺い知ることができます。
「交通事故 弁護士に相談するタイミング」に記載した通り、交通事故を弁護士に相談するベストタイミングは症状固定直後です。
逆に言うと、治療中に交通事故弁護士のホームページをチェックして、交通事故の基礎知識を得るとともに、それぞれの弁護士事務所ごとの特徴や理念、交通事故事件への想いを確認して、どの弁護士事務所に相談するかを決めておきましょう。
交通事故のコラムは、例えば「交通事故を弁護士に依頼するメリット」、「交通事故の弁護士費用相場」などのテーマごとに分かれています。
交通事故のコラムをきっかけに弁護士事務所やポータルサイトを知る方も多く、交通事故のコラムは交通事故被害者の方が弁護士や弁護士事務所を知るきっかけにはなります。しかし、残念ながら交通事故のコラムは弁護士事務所ごとの特徴が出にくいです。
なぜなら、交通事故のコラムはほとんどの場合は弁護士自身ではなく、ホームページ制作業者が他のホームページを参考にして作成しているため内容が似たり寄ったりになります。また、弁護士資格者が執筆者であっても、ホームページ制作業者から依頼をされて執筆だけしているようなときは弁護士自身の特徴が出にくいです。
交通事故のコラムをチェックするときは、その法律事務所に所属する弁護士自身が執筆しているか否かをきちんと確認しましょう。交通事故のサイトを運用している(ホームページ制作業者ではない)弁護士事務所に所属する弁護士自身が執筆している法律コラムであれば、交通事故に強い弁護士が書いた信頼できる内容だと言えるでしょう。
8.-(2) 治療打ち切りor症状固定後(治療終了後)に電話相談で対応を確認
保険会社から治療打ち切りと言われたときや、医師から症状改善が望めないとして治療が終了したときは調べておいた弁護士事務所に電話相談をしましょう。
とくに症状がこれ以上改善しないとして治療が終了する状態を症状固定と言いますが、症状固定後であれば交通事故に強い弁護士であれば今後の流れや獲得できる交通事故示談金をかなり正確に診断できます。従って、症状固定からなるべく早期に弁護士に実際に相談することをお勧めします。
交通事故に強い弁護士は電話による無料相談を行っています。電話相談では以下の点をチェック・質問しましょう。
- 弁護士は親身・丁寧に対応してくれるか
- 後遺障害等級が取れる見込みはあるか
- 交通事故の示談金はどれぐらいの金額になるか
- 依頼した場合の弁護士費用はどれぐらいか
- 弁護士に依頼した方が良い事案か
交通事故を弁護士に依頼するときは電話や書類のやり取りだけで弁護士に依頼することもあります。また、弁護士に依頼するときは弁護士との長期的な信頼関係が必要です今後も長い時間をかけて弁護士と電話でやり取りをするので、弁護士の電話対応や相性が合いそうかはきちんとチェックしてください。
さらに言えば、交通事故に強い弁護士は複数事件を抱えており裁判や調査等で事務所を離れていることも少なくありません。弁護士と直接やり取りするよりも、現実的には秘書や事務員とやり取りをしながら交通事故の依頼を進めていくケースもあります。
従って、弁護士の電話相談内容だけではなく、弁護士と話す前の事務員の対応が親切丁寧か気が利きそうかなどもチェックしておくと良いでしょう。
交通事故の弁護士相談でこんなことを言われたら注意した方が良いかもしれません。
- 「弁護士に依頼すれば絶対にメリットがあります」
- 「保険会社と示談交渉すれば必ず成功します」
弁護士の仕事は一般的に勝敗があるもので、弁護士の業務に「絶対」や「必ず」はありません。
たしかに、交通事故案件は比較的成功の見込みが高く、事前に見通しが立てやすい事件類型ではあります。しかし、ギリギリの争点が生じると見込通りになるとは限りません。
また、弁護士倫理が定められて弁護士職務基本規程においても有利な結果の請負い・保証は禁止されており、法律相談において断言的な表現を避けるべきと解されています。
交通事故に強い弁護士といえども結果を保証できるわけではありませんので注意が必要です。断言的な表現をする弁護士は単なるセールストークであり、弁護士倫理を遵守する意識が薄い可能性があるので注意が必要です。
8.-(3) 何人ぐらいの弁護士に電話相談すべき?
弁護士に電話相談するときは何人ぐらい比較検討した方が良いかご質問を受けるときもあります。私個人の意見としては、ホームページで交通事故に強い弁護士か相性が合いそうかをじっくり吟味して、弁護士と電話相談するのは1~2軒ぐらいが良いと思います。
事前に交通事務所に強い弁護士を厳選し、実際に電話相談・法律相談をするのは1~2軒にする。多数の弁護士に相談すると混乱することもあるので要注意。
多数の弁護士事務所に電話相談すると同じことを違う切り口から説明されて無用に混乱することがあります。また、交通事故に強い弁護士は多忙のため新規相談はすぐに対応できない場合もありますが、複数の弁護士事務所に次々電話するよりは、これと決めた弁護士の電話対応を待つ方が良いでしょう。
交通事故の被害に合うのは一生に一度あるかないかの重要事項であり、飛び込みですぐ対応できる弁護士事務所より、自分がこれと決めた交通事故に強い弁護士とじっくり相談する方が後悔は少ないでしょう。
治療中にホームページで相談する弁護士事務所を1~2軒選んでおいて、現実の電話相談対応を確認して依頼するのが良いでしょう。もちろん、電話相談で相性が合わなそうだと思ったら、別の弁護士に相談することは構いません。ただ、最初から多数の弁護士を比較検討するのは時間の無駄ですし止めておきましょう。
弁護士費用の見積りや契約条件を確認して依頼
依頼したい弁護士が見つかったら最後に弁護士費用の見積りを確認しましょう。
交通事故に強く信頼できる弁護士であれば、弁護士費用や詳細な契約条件などを丁寧に説明してくれるはずです。
弁護士費用については、どのような結果になればどのぐらい弁護士費用が生じるかシュミレーションして貰うことをお勧めします。
例えば、「後遺障害等級14級が認定されれば、これぐらい示談金が貰えて、そのときの弁護士費用はこなります。もし残念ながら認定されなければ、示談金は下がりますが、その分弁護士費用も下がるので弁護士費用倒れにはなりません。」等と説明して貰えれば安心感が高まります。
また、細かな契約条件としては以下のような内容がチェックポイントになります。
- 委任内容は示談交渉のみか、訴訟まで含んで一括して受任しているか
- 弁護士費用以外に実費か交通費の負担はあるか
- もし示談金が増額できないときは弁護士費用の値引きがあるか(絶対増額保証はあるか)
- 訴訟提起になった場合に追加の費用はかかるか
- 委任契約が途中で終わったときの費用精算はどうなっているか
きちんとあなたの交通事故事件を依頼したときの弁護士費用や契約条件を確認して納得の上で弁護士に依頼しましょう!
9. 損しないために!弁護士に依頼するべき3つのケース
「弁護士の選び方は分かったけれど弁護士はやっぱりハードルが高い…」
そう思っているあなたのために、少なくとも交通事故の被害にあったとき弁護士に依頼した方が良い3つのケースを説明します。
もし、あなたの事件がどれかに該当するようであれば交通事故に強い弁護士に依頼することを強くおすすめします。
9.-(1) 弁護士費用特約があるとき
あなたの自動車保険に弁護士特約が付いているのであれば、交通事故被害の弁護を依頼した方が良いでしょう。なぜなら、弁護士費用特約があれば法律相談料や依頼したときの弁護士費用は保険会社が負担してくれます。
弁護士に依頼すれば、わずかでも交通事故示談金が増額するケースがほとんどです。
交通事故の被害に備えて弁護士費用特約に加入しているのに、弁護士に依頼しないのでは意味がありません。弁護士費用特約があれば迷わず弁護士に依頼しましょう。
9.-(2) しつこい痛みが継続するむちうち事故
信号待ちで追突されて首が痛いといったむちうち症状は交通事故の被害でも最も多い症状です。
感覚的には交通事故被害の相談のうち約7~8割程度はむちうち症のご相談です。
むちうち症はレントゲンやMRIからは症状が確認できず自覚症状だけのことがあり、保険会社や加害者から本当に交通事故が原因のむちうち症なのか、元々も持病ではないのかと疑われることがあります。
しかし、むちうち症は数週間で治る軽度のものから、数か月経ってもしつこい痛みが取れない重度のものまで様々です。
一口にむちうち症と言っても他覚症状がないのに症状は人それぞれなため交通事故示談のときに非常に難しい問題が生じます。
ただ、他覚症状がなくてもしつこい痛みが継続しているのであれば、その痛みに相応しい賠償がなされるべきです。
従って、しつこい痛みが継続するむちうち事故の被害にあったときは、弁護士に依頼して適正な後遺障害等級認定、交通事故示談の増額を求める必要が高いと言えます。
保険会社は他覚症状のないむちうちについて様々なことを言います。
- 「むちうちの治療は普通2~3か月で終わります。これ以上は治療を続けられません」
- 「むちうちで後遺障害が認められることはほとんどありませんよ」
- 「交通事故が原因ではなく、他の原因で症状が出たのではないですか」
しかし、交通事故に強い弁護士に依頼すれば、あなたの辛い想いを汲み取って適正な交通事故の示談条件を勝ち取ってくれるはずです。
他覚症状がないため取扱いが難しく、保険会社も争ってくるむちうちだからこそ、しつこい痛みが継続するむちうち症で辛い想いをしているのであれば弁護士に依頼して適正にな損害賠償を獲得しましょう。
9.-(3) 交通死亡事故・重大事故
交通死亡事故や重大事故も早期に弁護士に依頼するべき事案と言えます。
交通死亡事故や重大事故は交通事故直後から損害額が確定するため保険会社から様々な手続きが一段落した時点で保険会社から示談金額の提示がなされます。
しかし、交通事故の被害が重大な交通死亡事故や重大事故だと精神的ショックが大きく、法律面以外の対応も必要であり、冷静に交通事故の示談交渉を行うことが難しいです。
全ての保険会社がそうではありませんが精神的に不安定な状況を利用して示談交渉をまとめようとする担当者がいないとも限りません。
従って、交通死亡事故・重大事故の被害にあったときは早めに弁護士に示談交渉を依頼して、弁護士が冷静に保険会社と示談交渉を行った方が良いケースがほとんどです。
また、交通死亡事故や重大事故は損害賠償額も高額になるため、適正な損害賠償の基準・適正な過失割合で示談交渉をできるか否かで大きく結果が異なります。
交通死亡事故や重大事故では任意保険基準から弁護士基準になれば数千万円単位の差が出ます。弁護士に依頼しないと大きく損をする可能性もありますし、大幅な増額が望めるため弁護士費用倒れのリスクもほとんどありません。
そのため交通死亡事故や重大事故は交通事故直後の段階から弁護士に依頼するべき事案と言えるでしょう。
- 弁護士費用特約があるとき
- むちうち症でしつこい痛みが継続するとき
- 交通死亡事故・重大事故のとき
10. 交通事故を弁護士に依頼する流れ
最後に簡単に弁護士に依頼するときの流れを解説します!
10.-(1) 電話・メールでのお問い合わせ
まずは交通事故に強い弁護士に電話・メールでお問い合わせください。
弁護士事務所にもよりますが、弁護士が直接電話相談を対応する場合や、まずはお問い合わせで法律相談を予約する場合があります。
お問い合わせをするときは夜間もお問い合わせできるのか、土日祝日も法律相談を対応してくれるのかは確認しておいた方が良いでしょう。
10.-(2) 弁護士と相談
弁護士事務所によって、①可能な限り電話で弁護士と相談する場合と、②来所しての法律相談を勧められる場合があります。
弁護士との相談時間の目安は、電話相談であれば1回当たり15分から30分程度、来所法律相談であれば30分から1時間程度です。もし長時間の相談が必要な場合は、弁護士から日時を改めて必要な時間を確保しての弁護士相談が提案されることもあります。
弁護士との相談は交通事故を弁護士に依頼するべきか、弁護士費用を確かめるとともに、弁護士との相性を確かめる言わばお試しサービスです。
最初から弁護士に依頼する気がなくご自身で示談交渉を進めるために弁護士と相談するのは止めておくべきでしょう。なぜなら、あなたと弁護士では調査能力や交渉能力が異なりますし、保険会社も弁護士でなければ弁護士基準の示談交渉には応じません。
あくまで弁護士がアドバイスできるのは、弁護士があなたを代理して案件処理を行った場合にベストな解決方法や解決結果の見通しです。ご自身で示談交渉をする方法はご自身の能力、知識、経験にもよるため正直弁護士には分かりかねます。自分で示談交渉する方法を弁護士に相談してもあまり意味がありません。
10.-(3) 弁護士費用・契約条件の説明
弁護士と相談して依頼をすることになれば、弁護士費用や契約条件の説明があります。もし、弁護士費用や契約条件について不明な点があれば遠慮なく弁護士に質問しましょう。
10.-(4) 委任契約書の締結
弁護士に正式に依頼するときには委任契約書を締結します。委任契約書は打ち合わせ時に署名・押印いただくか、又は郵送で締結を行います。
予め弁護士費用・契約条件の概要は聞いていると思いますが、委任契約書に沿って契約条項を弁護士から説明される場合もあるのできちんと内容を確認しましょう。
10-.(5) 必要書類の提出
弁護士に依頼すると同時に委任状を始めとして必要書類を弁護士に提出する必要があります。提出するべき必要書類や提出の時期は弁護士によって異なりますので、弁護士の指示に従って書類を提出しましょう。
11. まとめ
本記事では、交通事故を弁護士に相談するときの不安や疑問、弁護士費用の相場、どのように交通事故に強い弁護士を選ぶべきか等の徹底的に解説しました。
交通事故を弁護士に相談・依頼するときは本記事を読んでいただければ基本的な全知識を得ることができますので、是非お気に入りに保存して分からない点が生じたときは何度も読み返してください。
交通事故の被害は突然のことで不安や悩みは尽きないことと思います。
交通事故に強い弁護士は交通事故被害者を救済するために強い意気込みをもって日々案件に取り組んでいます。この記事が交通事故の被害にあって悩まれている方にぴったりの弁護士に巡り合うための参考になりましたら幸いです。