1. 交通事故被害の状況
ご依頼主様(50代・女性)は、信号を無視した無免許の二輪車に追突されて、二輪車は逃走するひき逃げに遭いました。交通事故被害にあったためご依頼主様は頸椎捻挫のけがを負い、9か月の通院を余儀なくされました。
一般的には、加害者側の保険会社に対して損害賠償を請求することによって、交通事故被害の救済を受けることになります。従って、ひき逃げ事案で加害者が行方知らずになると交通事故被害の救済を受けることは困難です。
本件は、ひき逃げ事故の事案でしたが、幸いにもご依頼主様は人身傷害保険に加入しておられました。
そこで、ご依頼主様が加入している保険会社との交渉が問題となる事案でした。
2. 弁護士相談の理由
ご依頼主様は、ご自身で人身保険会社に保険金請求をしましたが10万円の仮払いしか受けられない状況でした。
ご依頼主様は治療費や休業損害の請求を行いたい意向でしたが、保険会社から休業損害は認められないと主張されてしまいました。
交通事故の被害にあったのに加入していた保険会社から十分な補償を受けられなかったため、ご依頼主様は弁護士に相談されました。
保険会社は親切・丁寧に対応をしてくれますが、必ずしも交通事故被害者の味方とは言えません。例えば、適正な慰謝料は弁護士基準(裁判基準)で算定されますが、交通事故の被害者がこの点を指摘して自ら交渉しても、原則として保険会社が適正な慰謝料金額を提示することはないと考えて間違いありません。
なぜなら、保険会社の利益は支払う保険金額をできるだけ抑えることにより生み出されており、営利企業である保険会社としては保険金の支払いを渋らざるを得ないからです。
また、弁護士が相手の示談交渉であれば訴訟提起の可能性が十分ありますが、被害者本人の交渉であれば訴訟を起こされる可能性は少ないためある意味で足元を見ていることになります。
保険会社はもっともらしい説明をしますし対応は親切・丁寧ですが、保険会社の言いなりになると落とし穴にはまることがあります。保険会社と示談をする前に必ず交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。
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3. 交通事故示談の内容
本件は、ご依頼主様が保険金請求をしたところ10万円の仮払いに留まっていた事案でしたが、弁護士が示談交渉をしたところ約2か月間の交渉を経て最終的に110万円を獲得できました。
保険会社は交通事故示談の交渉時に休業損害が認められないと主張することがあります。例えば、「主婦だと収入がないのでの休業損害はありません」などと説明されるかもしれません。
しかし、主婦であっても実は休業損害が認められます。算定根拠は争いがありますが、少なくとも女性労働者の平均賃金額に基づく休業損害は認められるケースがほとんどです。
一見すると主婦で収入がないから休業損害はないという説明は正しいように思われますが、最高裁判所はそのような場合でも家事労働に従事できない点をとらえて休業損害の賠償請求を認める考え方を採っています。
4. まとめ
本件は、保険会社から休業損害が認められないと主張され、10万円の仮払いしか受けていなかった事案です。しかし、弁護士がスピーディに示談交渉をしたところ最終的に110万円の示談金を獲得することができました。
保険会社は必ずしも交通事故被害者の味方ではありませんし、もっともらしい説明をされても法律上は異なる結論であることも少なくありません。
本件は、保険会社は休業損害を認めない旨の主張をしていましたが、弁護士が法律・裁判例を踏まえて交渉したところ最終的に110万円の支払いを受けられた事案です。
保険会社と最終的な示談をする前に必ず示談内容が適正かについて弁護士に相談することをおすすめします。交通事故に強い弁護士の選び方や相談時の注意点に関しては以下のページも参考にしてください。
(参考)交通事故と弁護士の全知識45項目